〜揺るぎない人生を生きるリーダーのための実践哲学〜 出口 光の天命と経営
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志高く!


 皆さん、こんにちは。

 お久しぶりです。
今年は激動の年で、日本の精神を呼び起こす流れがきていると思います。
 

 今日は、言葉の力とその源泉についてお話したい。


 偉大な人の言葉には、その強い霊性がゆえに伝播力は強く
人々に感動を与え、その言葉が後世に残っていく。


 先日、ソフトバンク創業者の孫正義が5千人の就職希望の学生に語った動画を観た。

 いろいろなことを言う人がいるが、その志を実現するための行動力には目を見張るものがある。


 孫さんはITに可能性を見て、
世の中を良くするために「デジタル革命」を起こすという志を立てた。

 そして「『志高く』、これだけは覚えておいてほしい」と熱く語りかける。


 この動画を見た人は感動するだろう。

 言葉にはその人の魂が宿っているから、聴いた人の胸には「志高く」という言葉が残っていく。

 しかしそれは生ものであり、その時限りで消えていく。

 孫さんが「志高く」と言わせた内なるものが確かにそのときには存在していた。

 「志高く」という言葉は、形のある「体」であり、それを言わしめた源泉が「霊」である。


 偉大な人たちの霊性は大きいがゆえに、言葉に魂を震わす強いエネルギーが乗り、 聞いた人の胸に響く。

 これは、霊主体従であるからだ。


 しかしその時には存在していた源泉という「霊性」は失われ、
聞いた人には、単に「体」としての言葉だけが残っていく。


 偉大な人たちは人生の真理である「霊性」に触れ、その到達した境地を言葉にし、
それが格言や戒律、さらには経典として残る。

その「体」としての格言が人々の行動の指針となる。

 偉大な人が真理という源泉に触れ、「霊主体従」で発した言葉が、
皮肉なことに、「体主霊従」の人間を創っていく。

 つまり、偉大な人の言葉に頼って生きようとする他力の人たちを増やすことになるのだ。


 高い境地に到達した人たちの言葉だけが残る。つまり、霊の抜け殻としての「体」だけが残ることになる。

 言葉だけが残りその言葉が指し示す霊性は失われる。
真理は触れたときにだけ存在する生きたものである。


  偉大な人であればあるほど、その言葉は重みを増し、その言葉を頼りにする人たちを創っていく。

 言葉だけが残りその言葉が指し示す霊性は失われる。


 体主霊従の人を創る、他律の人を創る。
なんという皮肉だろうか。


 真理を知識として理解するのではなく、
真理という霊性に触れ続ける方法を教えることが大切なのだ。


 昔、職人の教育では技術を教えなかった。「盗め、掴め」だった。
忍耐と没頭の末、ようやくその真髄を掴んだものだったのだ。


 このようなやり方は現代では通用しなくなっている。
しかも一人ひとりの名人芸になり伝搬力は極めて弱い。

 さらに人とのコミュニケーションが極端に弱い偏屈さを作ることにもなってしまう。


 私たちに必要なことは、「魚をあげる」のではなく、
自らが「魚をつかむ場」を創ることだ。


 私は、掴んだことを教えるのではなく、掴むことができる「場」を
さまざまな道場を通して提供していきたい。


 出口光

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